『シニア刑事 沼田シズヱ』を徹底レビュー!

1 あらすじ
2 キャスト・スタッフ
3 基本情報
4 レビュー


1 シニア刑事 沼田シズヱのあらすじ


本野署には“口だけの事務員”と言われているババア刑事がいた。
その名も「沼田シズヱ」。彼女は表の顔は事務員。
裏の顔は潜入調査員であった。
ある日、そんな彼女の元に亡くなったはずの同級生から手紙が届く。
ありきたりな内容のはずなのに文章に違和感を覚えたシズヱはババアの知恵と勘、そして持ち前の口のうまさで同級生が勤めていた会社に潜入する。
しかし、同級生の死の真相を探していくうちに事件は思わぬ展開に…。


2 シニア刑事 沼田シズヱのキャスト・スタッフ


監督:島絵心
キャスト:大月知佐子(沼田シズヱ)柿本大雄(河本小平)


3 シニア刑事 沼田シズヱの基本情報


放送日/公開日

2016.1003~012.19

制作・配給

大福放送

日本

時間

1話22分,全12話


4 シニア刑事 沼田シズヱのレビュー


 
沼田シズエシリーズ史上最大のミステリー
安定の沼田シリーズ!女優が素晴らしい!
今回も、綿密なトリックと大月知佐子の演技力に終始、目が離せない。
特に犯人を説得するトイレのシーンは彼女にしかできないだろう。
会話のテンポ、表情、抑揚全てが完璧!
 
また、カボチャの種を口から噴き出して犯人に当てるシーンはアドリブらしいが、誰もがサブイボだろう。
 
感情の昂りが物語にスパイスを加えている。塩胡椒に唐辛子を8本加えたぐらいのスパイシーさ。あまりのスパイシーさに喜びでインド人も踊り出すレベル。
 
 
演出が斬新!?沼田シリーズ監督の底力
脚本・監督は『弁護人美佐子の事件簿』や『加藤くんは探偵だ』で有名な島絵心。この監督は感情を見せる演出が非常に上手い。
 
台風で豚が飛ぶシーン、シズヱをマッチョが崇めるシーン、霧の中からミーアキャットが出てくるシーンなど挙げればキリが無い。
沼田シズヱシリーズの最新作ということで元から期待値は既に高かった。
 
しかし、その期待をチョモランマくらいに超えてきた。
何より今作にはシズヱのアクションシーンがついている。あの歳から想像できない回し蹴りはジャッキー並み。
 
戦隊でしか見ないような爆発シーンもあり、人間の底力を感じる。
このドラマをみて、私は最近体を動かすこともなく、声を出していないことに気がついた。
 
大人になると周りを気にすることが増え、体力を理由に何もしなくなる。
ふと、恐ろしくなった。
明日からは朝4時にラジオ体操をして、1人鬼ごっこと発声練習をしようと思う。
 
 
トリックも凄い!さすが沼田シリーズ 
話は逸れたが、本作はトリックもなかなかに良い。
昆布と餅巾着と大根を使って花火を起こすトリックは予測できず、最高であった。
 
また、その昆布を使った最後のどんでん返しは見事of 見事。
どの推理小説でも思いつかないような伏線とトリックに誰もが目を見開くレベル。
 
お昼の放送だが、軽い気持ちで観ていたら叫ぶだろう。狼男のように。
主婦も落ち着いては見られないお昼放送の沼田シリーズのトリックは人生に一度は観てほしい!
 
 
沼田シリーズ最大の難点!
1つだけ大きな難点がある。それが、シーンの合間に映る鶏だ。
何度も鶏が映されるが、最後まで意図が見えない。
最後に食べられるというオチもよく分からない。
 
鶏のせいで、良いシーンでも気持ちが冷めてしまう上、伏線を探しすぎて物語に没頭できなかった。
 
結局あれは何がしたかったのだろうか。あそこまで鶏を出すのであれば、ストーリーに関連性を持たせてほしい。
 
意味がわからずに終わったため、謎のわだかまりが心に残っている。非常にモヤモヤするので次回作があるのなら、無駄なカットは無くして頂きたい。
 
シニアのアクション、爆発など良いところはたくさんあり、星5つの作品かと思いきや、鶏で覚めたので星4つにしようと思う。
 

 
著:馬事とうふ