『エスニック柄のブランケット』を徹底レビュー!

1 あらすじ
2 キャスト・スタッフ
3 基本情報
4 レビュー


1 エスニック柄のブランケットのあらすじ


佐野あきらには婚約者がいた。しかし、彼女は大きな事故に巻き込まれ記憶喪失になってしまう。
あきらは落ち込んだが
「記憶を取り戻す旅をしよう。」
と塞ぎ込んでいた彼女を連れ出した。
2人で思い出の場所を巡り、語り合うことで徐々に記憶を取り戻していく。
しかし、どうしても肝心なあきらとの約束を彼女は思い出すことができない。
行き詰まったあきらはエスニック柄のブランケットを彼女に手渡して、彼女の元から姿を消した…。


2 エスニック柄のブランケットのキャスト・スタッフ


監督:曽根見凛
声優:小田島翔平(佐野あきら)、刃爪葵(豊元亜里沙)、本郷幸乃(新城果穂)


3 エスニック柄のブランケットの基本情報


放送日/公開日

2015.07.26〜

制作・配給

サンフユミプロモーション

日本

時間

105分


4 エスニック柄のブランケットのレビュー


全人類が泣いてしまう大作
凝った演出たちは圧巻!
記憶喪失の彼女とその彼氏が記憶の断片を集める物語。
誰もが感動すること間違いなしだ。
 
思い出の場所を彼女と巡り、彼女の記憶を取り戻す場面で記憶を1つ取り戻すと彼女の身に着けている物が1つ変わる。
 
最後は何も変化させる部分がなかったのか、手にカレーライスを持った時は少し驚いたが、この演出は非常に面白かった。
しかも、カレーライスの具には竹輪が入っているらしい。
 
カレーライスに竹輪は今までにない組み合わせ。私も時々カレーライスを作るので今度作るときに竹輪を入れてみようと心の中で誓った。
 
ダンスシーンは圧巻だけど…
カレーライスが現れるシーンも好きだが、私が1番好きなのは、彼女が全ての記憶を取り戻した時に踊りを踊るシーンだ。
 
記憶を取り戻したシーンは大抵の作品が感動的なBGMを流すなど泣ける演出をする。一方、本作は記憶を取り戻した瞬間にEDMが流れ、コサックダンスを踊り出す。
 
最初は何が起きたのか理解ができなかったが、確かに記憶を取り戻すことは良いことなので、むしろこの光景が普通なのではないかと思ってしまう。
喜びの舞とはまさにこのことを言うのだろう。
 
しかし、男女が記憶を取り戻して踊るシーンは非常にシュールだ。まるで、街中で突然踊り出す最近の若者を見た時みたいだった。
ちなみに、女性はコサックダンスだったが、男性はコンテンポラリーダンス。
 
あえてダンスの種類を合わせていないのか、偶然合わなかったのか分からないがそこは合わせて綺麗に踊ってほしかったとは思った。
 
不思議なキスシーン!
2人で踊った後に、お待たせしたかのようなキスシーンがやってくる。普通のキスシーンは影が重なったり、カメラの角度でキスするように工夫したりしているが、この作品は違う。
 
唇と唇の間に板ガムを挟んだ独特なキスシーンをカメラに写してくる。
もはや、板ガムのCMなのかと思わせるくらい、板ガムにピントを合わせたキスシーンを届けてくれるのだ。
 
あまりにも当たり前のように、板ガムの不思議なキスシーンだったので、むしろそれが普通であり、芸術なのではないかと錯覚してしまいそうだった。
今後、ガムのCMを作る時はこの作品を参考にしてみるのも良いかもしれない。
 
それほどまでに、インパクトがあり、今までにない不思議なキスシーン。これはきっと最近のご時世のことを考えて、苦難の先に思いついたキスシーンだったのだろう。
 
ご時世を考えて作品を作った監督に頭の中で拍手を送りながら私は映画館を立ち去った。
 

著:馬事とうふ