『ピウと魔法の空』を徹底レビュー!

1 あらすじ
2 キャスト・スタッフ
3 基本情報
4 レビュー


1 ピウと魔法の空のあらすじ


魔法の使える王国パティ。主人公のピウはこの国で唯一魔法が使えない「出来損ない」として、昔から虐げられてきた。
そんな地獄のような日常に耐えることができたのは、妹がいたからだ。
ピウに対して唯一、差別をせずに接してくれる大切な妹のためにピウは毎日身を粉にして働いていた。
しかし、ある日妹が魔王に連れ去られ、絶望するピウに大きな力が宿り始める。
ピウはその力を使って妹を助けに向かうが大きな誤算が…。


2 ピウと魔法の空のキャスト・スタッフ


監督:立花白州
声優:刃爪葵(ピウ)、橋元カンジ(ダンジ)、曽根原桜子(シュミル)


3 ピウと魔法の空の基本情報


放送日/公開日

1998.04.23〜

制作・配給

スタジオペットボトル

日本

時間

445分


4 ピウと魔法の空のレビュー


泣きたい時はこの作品…!
勇気をもらえるファンタジー映画!
これは単なるファンタジーアニメではない。
アニメ映画史を覆す作品であることに違いはない。
 
私がこの作品の何を評価しているかというと、神話並みのスケールと伏線、展開の数々である。
 
1ピウは神の子だった
 一番の山場を言ってしまった。しかし、これが本当にすごい。「出来損ない」とされてきたピウだったが、妹を失ったことで本来の力を発揮する。ピウの本当の力を引き出す鍵は「孤独」だったのだ。
 
 孤独となったピウは超人的な力を発揮する。自ら手を出すことなく人を操り、過去にピウを馬鹿にしてきた人を次々に惨殺していく。それもながらスマホのまま車に突っ込んだり、川の禁止区域で遊んで溺死したり、猪に襲われたり「こんな最期は嫌だ!」というものばかり。なんとも爽快な復讐シーンであった。
 
2ピウは孤独と戦う
 当初、ピウの敵は妹を連れ去った魔王であった。しかし、本編始まって10分で魔王は倒される。ピウの本当の敵は魔王などではなく、ピウの原動力となるピウ自身の「孤独」であったのだ。
 
 孤独にならなければ「出来損ない」となじられる。しかし、最愛の妹を捨てることはできない。そんなピウの葛藤が残り400分で描かれている。400分と聞くと大層長い時間に感じるかもしれないが、体感10分である。
 
 ピウの葛藤は往々にして比喩の世界に連れていかれる。残り1万円の生活費をパチンコに当てるか貧乏飯に当てるか迷う時の葛藤。ねるねるねるねをラムネか飴のトッピングで食べる選択を迫られた時の葛藤。タップルかペアーズを使うか迷った時の葛藤。このように人生の分岐点に立った時の葛藤を絶妙な描写で描く。
 
3衝撃のラスト
 
 魔王を倒したピウは妹と対峙するもひとまずは妹から逃げてしまう。最愛の妹をとるか、自身の神の力をとるか迷う葛藤の末ピウがとった行動とは…
 
 ここがこの物語の結末になるわけだが、このラストは衝撃的であった。最大のネタバレになるので控えておくが、どのくらい私が衝撃を受けたかを説明しよう。
 
 私はお酒を控えている。彼女と趣味で国会議事堂に潜入していた時、お酒を飲んでいたのだが、捕まって彼女がロシア人スパイと発覚したのだ。その話はどこかの記事にも書いた気がする。
 
 そんなこんなで苦手ではないのだが嫌な思い出があり、本当は好きなのだが10年前から飲んでいない。特に好きなのはマッコリだ。しかし、お酒を買う行為にトラウマがありどうしても飲めない。しかし、本作を見た私は感極まってマッコリを大量購入したのであった。
 
 これは、アニメ映画の大革命である。見ないという選択肢はない!なんと言おうと私がマッコリを買ったのだから。
 
 

著:萩沼ドライビングスクール